奈良県農民連は、組合員の米農家さんから入荷し、複数の販売ルートを通じて出荷している。もちろん、入荷したお米の等級検査も実施している。とは言っても、農産物検査員の資格を有する民間企業に委託しているのが現状だ。先日、このお米の等級検査を実際に目にする機会あった。

私(この文章を書いている人)にとっては、米の等級検査を見るのが初体験である。当然と言えば当然なのだが、実際のお米(玄米)のサンプルを抽出して検査をする。各農家・出荷者のお米は30㎏の米袋に入れられた状態である。(昔は60㎏/俵。)検査員は丁寧に米袋を開け、袋の中のお米をコップかお椀ですくってサンプルを取り出すのだろうか?いや、そんな面倒なことはしない。検査員は腰にぶら下げていた短刀のようなものを徐(おもむろ)に取り出し、米袋を「ブスッー」と突き刺した!突き刺したかとおもうと秒で抜き取り、「ジャラジャラジャラ~」とプラスチック製の黒いお皿にお米を注ぎ入れた。これが実際に行われている、お米のサンプル抽出方法である。

一体何が起こったのか?実は短刀のようなものは筒状になっていて、(1)「ブスッー」と米袋を突き刺すと、その筒状の中にお米が入る。(2)お米が入ったままの状態で、筒状の短刀のようなものを抜き取る。(3)短刀のようなものを傾けると中のお米が「ジャラジャラジャラ~」と出る。この一連の動作が一瞬で行われる。瞬きしている暇もないくらい。その瞬間を捉えたのが上の写真。

ちなみに、「短刀のようなものを」は、「米検査用袋刺し具(米刺し・殻刺し)」と称する。プラスチック製の黒いお皿は、「カルトン」と称する。なんとアマゾンでも、この二つの道具を取り扱っているようだ。